ALL-ROUND POLITICS〜現実的理想主義政治談義ブログ

現実を見ながら理想を目指す的な政治ブログを目指します。右も左も仲良くやりましょう。

大阪 is DEAD

いつだったか大阪に里帰りした時、梅田だか難波だか天王寺だか思い出せないんですが駅で「大阪ええ奴ばっかりやで、人情の街やで」と大声で女の子に話し続ける兄ちゃんがいまして、ああこれは明らかにこの女の子に悪い事やる気満々やんけと思った事がありました。あの時の女の子が騙されてエロ同人みたいな事されてないのを願うばかりです。いやあんま読んでないから知りませんが。

 

あれから幾年、先日私はまた帰省など致しまして、久々に大阪でテレビを見ました。うちは両親共に健在なんですが、父がここ数年で一気に右傾化致しまして、『Voice』とかいう紙資源の無駄遣いみたいな雑誌を熱心に読んでます。まあもっとアレな雑誌に行かないだけまだマシなんですがね。PHPとかホント何も生み出さないよなあとあれを見る度思います。あの手の右翼マガジン、高齢者がかなり買い支えてる面があるんですよね。出版業界も不況で何でも売りたいのは分かりますが何だかなあと。

 

が、最近母親も怪しくなって参りました。以前は子供や孫が戦争に行く事になるぐらいなら共産党に投票するとか言ってたはずなんですが、「産経新聞以外はウソばっかりよね」などと事実と正反対の事を言い出してきたのです。いや産経新聞こそネットソースで怪しい記事連打ですがね。

 

で、今回ですよ。みんなで昼飯食べながらテレビ見ていて、『生活笑百科』の仁鶴師匠がすっかり口数減っているのを寂しく思いつつ、ああ隣で仕切っている桂南光師匠が後を継ぐのだなあと番組を生暖かく見終わったところで、母親が「面白い番組があるのよ」と言って関西テレビにチャンネルを切り替えました。番組名は『胸いっぱいサミット!』。見てみるとこれがなかなかヒドい。ワイドショーの体裁ではあるものの喋っているのは実質2人。1人は先日27時間テレビで元維新の上西議員と大喧嘩をやらかした東国原氏です。この人も一時は橋下徹氏と近い立ち位置にいましたが、随分下世話なキャラクターになりましたね。

 

もう1人は青山繁晴議員。この人、先日まで自民党押しのコメントをし続けてきた功績が認められたかのように参議院選自民党から立候補、目出度く議員バッジをゲットしたという腰巾着みたいな存在なんですが、「新人議員です」と涼しい顔で出演しておりました。

 

番組はほぼ終始この2人しか話していませんでした。司会者も政治学者のどなたかも、女性3人もいなかったも同然、最近よくあるひな壇芸人以下の存在感しかありませんでしたね。出演料払う意味があるんでしょうかあれで。

 

いやまあそれはいいんです。まともな政治の話も出来ずに政治家達の話をうんうんと聞くだけの愚鈍な人達でしかないと分かりましたので次からもスルーしとけば良い。問題はそんな取っ替えのいくらでも利きそうな空気人間共ではありません。議員と元議員の2人ですよ。

 

かたや現自民党議員、かたや維新界隈の元議員。政治家としての立ち位置はあまり遠くありません。東国原氏だって一時は自民党に自分を売り込んだ存在ですからね。そんな2人が、北方領土返還交渉についての些末な違いで「大論争」とやらをしているんですが、私から見ればあんなの論争ではありません。近しい立場の2人が些末な違いを声高に話しているだけですよ。

 

青山議員はその後もひたすら自分達のいい事しか言いませんでした。「安倍首相はプーチンに絶対好かれている」と言い切っていたのには苦笑しかありません。ええ、行動の予想し易い、ロシアから見て都合の良い存在としてさぞや好かれていることでしょうね。彼は同様の理由でクリントン候補よりトランプ候補を好んでいる訳ですから。

 

ともあれ、青山議員がほぼ独壇場でしゃべり続けるのに対し、政治評論家氏がせいぜい補足するのと、東国原氏が北方領土で話した以外は他の出演者はほぼ存在感無し。誰一人まともな反論すらありません。これはもう青山議員による自民党政策プロパガンダ番組じゃないですか。

 

たとえば『TVタックル』なら舛添要一氏と田嶋陽子氏の半ばマンガじみた対決があったじゃないですか。単に両論併記すればいいとは限りませんが、少なくともあの番組は舛添氏の保守的な意見に対して違を唱える田嶋氏、という対立構図がありました。最近は見る影もありませんが、かつてはやしきたかじん氏の『そこまで言って委員会』でさえバランスは歪ながらも対論形式になっていましたね。今や、それすらもかなぐり捨てて自民党の一方的な宣伝番組となる事を全く恥じないテレビ番組が出現してしまった訳です。しかも他局でも似たような状況な訳ですよね。だからたかじんの番組がまだ残っているどころかバリバリ健在で、批判される心配が無いと安倍首相が安心して出演したりする訳です。

 

私には冒頭の「人情の街やで」とかいう甘言に騙されようとしている女の子と、今の大阪で何も警戒せずにテレビを見ている人々が重なって見えます。申し訳ないんですが、今の関西のテレビ番組での政治関連の扱いを見て違和感を感じないあなた、あなたはもうあの女の子と同じ運命ですよ。あなたは今まさに騙されているんです。少なくとも、自民党の主張しかほぼ垂れ流さない、反論なり対論なりが存在しない番組を見ているというのはそういうことです。

 

大阪は、関西は既にプロパガンダの真っ只中にあります。その結果が先の参院選での関西圏での民進党議員僅か1名という事態です。関東圏などと比較すれば、これがいかに異常な事か分かるはずです。自民党と維新という、実は大して違いの無い2政党の対決という政治ショー。これから東京でも、小池都知事を中心に同じ光景が繰り返されるのでしょうか。小池都知事のブレーンは橋下徹氏のそれと同じですからねえ。

 

既にキー局でもフジテレビ『ワイドナショー』で安倍首相が出演し、松本人志氏以下誰も安倍首相に厳しい質問を投げられない有様がOAされました。関西圏のあの惨状が全国ネットで再来となれば、日本全国今の関西のような状況になる危険性も高まりますね。政府側の一方的な主張しか放送されない社会、それは果たして民主主義国家なんでしょうか。共産国家や独裁国家の方が余程近いんじゃないですかね。

 

大阪が反骨精神の地だなんて大ウソでした。今頃上岡龍太郎氏は関西の体たらくに呆れ果てて何もしゃべる気になれないのかも知れませんが、叶うなら今一度テレビカメラの前で吼えて欲しいものです。「なに丸め込まれてるんや、アホンダラ!」と。

 

このまま行けばおそらく、日本の民主主義を終わらせた先鞭が関西のメディアの有様だったと歴史には記されることでしょう。関西の皆様におかれましては、そうなる前にどうか正気を取り戻して欲しいものです。「アホ」ではなく「バカ」だったと後で後悔する前に。という訳で・・・

 

はよう目ぇ覚まさんかい、どアホ!