ALL-ROUND POLITICS〜現実的理想主義政治談義ブログ

現実を見ながら理想を目指す的な政治ブログを目指します。右も左も仲良くやりましょう。

見てないフリはやめましょう

さて早速2回目です。いや前回エントリーは前振りみたいなもんだから今回が実質初投稿みたいなもんですかね。

 

ネットを見ているとSEALDsはバカだの吉永小百合はお花畑だのと今日も悪口が飛び交っております。うん、それキミらが気に入らない意見の人間達をただ否定してるだけやな。人格攻撃はよしなさいと思うんですが、まあそれはさておき。

 

天皇陛下が今回直々にメッセージを発せられたというのはなかなかインパクトがあるニュースでした。陛下自身が何度も言及されているように、日本国憲法において天皇陛下には政治的な実権はありませんし、本来特別な意見を発信する事はありません。昭和天皇時代には天皇家では全社の新聞を取っていたという話があるぐらい、皇室界隈は本来政治にはナイーヴに接していました。

 

陛下の公的な発言を聞いていると「日本国憲法を守って」という趣旨の発言が最近特に目立つように思います。特に安倍政権になってから、天皇陛下の言動は驚くほど政治的ですね。以前には日韓関係が悪化した際にわざわざ皇室と朝鮮半島との繋がりに言及された事もありましたし、故米長邦雄氏が「日本中の学校で国旗を掲げ、国歌を斉唱させることが私の仕事でございます」と言ったのに対して「やはり、強制になるということではないことが望ましい」と切り返すなど、近年の陛下の発言もギリギリのところを攻めているなあという印象を持ってはいました。

 

http://www3.nhk.or.jp/news/special/japans-emperor/

 

今回の生前退位に関する発言も、流石に直接「生前退位したい」とは仰らなかったものの、公務を減らす、摂政を置くといった方法には反対である旨を仰っており、まあ普通に読めばこれは「生前退位したいです」と言ってるのと同じですね。もがりの行事にまで言及してこれを出してきた意味、事前に漏れていた情報を合わせて考えてもその意図は明らかです。

 

宮内庁が当初生前退位について否定的なコメントを出していましたが、皇室の方々と宮内庁は一枚岩ではなく、むしろ逆に皇室の意向に宮内庁が反対するのは珍しくありません。今回も陛下の意向に宮内庁が反対したものの、陛下の強い意志に宮内庁が押し負けたということでしょう。

 

ところが、そんな陛下の意向をスルーしたい向きが世の中結構います。特に私が驚いたのはTwitterで有名になった猫組長さん。私もこの方のTweetは好きなんですが、「天皇陛下のメーセッージから「強い生前退位の意向」など感じられない。高齢による公務への不安と皇族、国民への気遣いと捉えるべきであり、今後の議論を提起されたものだ。」とTweetされていたのにはちょっと驚きました。いや、猫組長が政治的なスタンスからそれを認めたくないのは分かりますけど、陛下が明確に生前退位(言葉は譲位でもなんでも良いですが)以外の可能性を予め否定されている以上、これは生涯天皇でなければならないという今の天皇制を変えて欲しいというリクエストに他なりません。文脈を読めば分かる事を否定される今回の猫組長のご意見、私は賛同出来ませんでした。

 

いろいろ読んでみると陛下は生前退位なんて言ってない!と言う向きは結構いるようです。いやその線はもう難しいですよ。せめて渡部昇一みたいにすっとぼけて陛下の意向をスルーして摂政を、とか言ってみる方がまだマシです。「いや陛下が否定されてますけど」って秒で突っ込まれますが。

 

http://www.sankei.com/smp/premium/news/160813/prm1608130013-s1.html

 

でもね、こういう「見て見ぬフリ」は誰にもあります。ここまでは産経系の方々にキビシイこと書きましたが、いわゆるリベラルとかの方々だってそうなんですよ。

 

http://www.musashinet.co.jp/department/election/

 

特に最近、選挙の度に「ムサシ」なる言葉を見かけます。色々読んでみるとどうやら選挙の投開票時に活躍している会社らしいんですね。

 

で、リベラル系の方々が時々、この会社を怪しんでいるのですね。この会社のシステムを使って選挙で不正が行われ、自民党が勝利し続けているんだ!と彼らは叫ぶのです。うーん、選挙違反は色々ありますし私もなかなかシャレにならん投票現場を見かけた事はありますし全く不正が無いと言い切る訳ではありませんが、それでもこの「ムサシ」が近年の自民党勝利の立役者だとは思えないです。

 

先の参院選が正にそうでしたが、自民党だって接戦で落とした選挙区が少なからずありました。不正選挙をやるならそういうきわどい選挙区を狙うのが筋なんじゃないかと思うのですよね。それに東京選挙区では蓮舫議員がトップ当選で、最後のひと枠もおおさか維新の田中康夫氏を僅差で民進党の小川議員がかわして当選しました。不正?ありますかねこれ。

 

とある方などは「三宅洋平氏が100万票集めて当選する」と言い切っていました。いやあ、確かに三宅氏は渋谷駅前などでかなりの人数を集めはしましたが、残念ながら彼らが全員三宅氏に投票した訳ではありませんし、仮にそうだったとしても勝てたとは思えません。

 

私は現在の選挙結果は不正とは思っていません。今の感じならこんなもんでしょう。私の回りの人達もすっかり右へ急旋回し、本屋の店頭のみならず職場でさえヘイトな月刊雑誌を見かけるような昨今です。私の肉親だってかつてはややリベラルな立ち位置だったはずなのに、今や産経新聞の忠実な読者と化しています。世論の移ろいは早いんです。大正時代には軍人が疎まれた時代があったそうですが、昭和に入るなり軍人のステータスは上がり、そこからの「欲しがりません勝つまでは」→「撃ちてし止まむ」→「一億玉砕」のコンボですからね。

 

リベラルな皆様におかれましては、そんな現実から目を逸らし「これは不正選挙だ」と嘯くのではなく、まず今の日本が残念ながらファシズム寸前になっているにも拘わらず依然として現政権が高い支持率を維持している事実を認めるところから始めるしかありません。「自分は正しいことを言っているから伝わるはず」なんて夢を見るのはやめましょう。伝わるように努力しないと何も伝わらないし、何も変わりません。「安倍氏ね」で溜飲を下げてるだけじゃ仕方ありませんし、ましてや現実逃避などもっとナンセンス。「戦わなきゃ現実と」です。

 

という訳で左右どちらの皆さん共「現実から目をそらすのはよしませんか?」というお話でした〜。